今日も一日おつかれさまでした、細野カレンです。
日が落ちてから少し風が出てきましたね。こんな夜は、音の少ない糸が似合います。
テレビもラジオも消してしまって、ただ編むときの手の音と、針の触れるかすかな音だけが部屋に残るような、そんな時間が、たまには欲しくなります。
手のひらに何を乗せたいかと考えたとき、私はまず「軽さ」ではなく「柔らかさ」を思い浮かべます。
それも、ふわふわした可愛らしさではなく、たとえば肌にすっと溶け込んでいくような、あまりにも自然で、むしろ存在を忘れるような――そんな質感です。
あの素材の名前を見ただけで、そういう感覚がよみがえることがあります。
カシミヤ、という四文字には、きっと記憶を呼び起こす力があるのだと思います。
自分のために選んだショールのことだったり、母から借りたセーターのことだったり、いつかの旅先で触れたマフラーだったり。肌の記憶は、思いのほか長く残っているのかもしれませんね。
そんなふうに、言葉にされる前の感覚を、もう一度味わいたくなるような糸が、実はときどき届いています。
目立たないけれど、そっと棚の上で出番を待っているような存在です。
お時間のあるときに、こちらのページを、ひと目だけでものぞいてみてください。
ふれる前から、少しだけ静かになれるような、そんな糸のことをご紹介しています。