こんばんは、細野カレンです。
アドベント18日目、今夜の物語は竜宮城を舞台にした海中のクリスマスのお話です。玉手箱とクリスマスプレゼントが織りなす、過去と未来を巡る幻想的なストーリーをお楽しみください。
竜宮城の二つの箱
浦島太郎が再び竜宮城を訪れたのは、クリスマスイブの夜でした。地上で年老いてしまった太郎の姿を見た乙姫が、特別な贈り物を渡したいと考え、竜宮城に招待したのです。
竜宮城はクリスマス一色に染まり、サンゴの枝に彩られた巨大なクリスマスツリーが中央にそびえ立っていました。魚たちが光る装飾をまとい、海中生物たちが楽しげにダンスを踊る中、乙姫が太郎を静かに呼び寄せます。
乙姫は太郎に二つの箱を見せました。一つは"過去"、もう一つは"未来"と書かれています。
「太郎さま、これらのどちらか一つを選んで開けてください。過去に戻るか、未来を見るか、それは太郎さまの選択です。」
太郎は少しの間、考え込みました。過去に戻り、若い頃に戻りたいという誘惑もありました。しかし、地上で過ごした年月や、そこで得たものを無駄にしたくはありませんでした。
「未来を見せてほしい。」
そう言って太郎が未来の箱を開けると、そこには不思議な光景が広がりました。未来の地上では、太郎が助けた亀の子孫たちが平和に暮らしており、太郎の名が語り継がれていました。村の子どもたちが、彼の勇気ある行動の物語を夢中になって聞いています。
太郎はほっとした表情を浮かべました。「私の行いが無駄ではなかったことがわかった。それだけで十分だ。」
乙姫は静かに微笑み、「では、こちらの過去の箱は開けずにお返しいたします」と言いました。太郎はそれを見つめながら言います。「過去に戻ることも捨てがたかったけれど、今を生きることが大切だと気づかせてもらった。」
そして乙姫は最後に、太郎に"海の玉手箱"を手渡しました。
「これは開けるための箱ではありません。この箱に手を触れるだけで、竜宮城で過ごした日々や、太郎さまが大切に思う記憶が鮮やかによみがえります。」
太郎はその箱を大事そうに抱えました。
「ありがとう、乙姫。これでまた地上に戻っても、ここでの思い出を胸に生きていける。」
クリスマスの夜、竜宮城の鐘が鳴り響き、太郎と乙姫は笑顔で別れを告げます。プレゼントとともに、太郎の心に新たな希望の灯がともったのでした。
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