こんばんは、細野カレンです。
今夜は、ちょっと心温まる、そして少しだけ魔法がかったジンジャーマンクッキーのお話をお届けします。クリスマスの前夜、願いを込めて焼かれたジンジャーマンが、子どもの願いを叶えるために動き出す、そんな素敵な物語です。
ジンジャーマンと子どもの願い
クリスマスの前夜、小さな町の一軒家に住む少女エミリーは、お母さんと一緒にキッチンでジンジャーマンクッキーを焼いていました。オーブンから甘いスパイスの香りが漂い、家中がその香りで満たされています。エミリーは一つ一つのクッキーに目と口を描き、赤いリボンの飾りをつけて仕上げていきました。その中でも、一番お気に入りのジンジャーマンには、特別な願いを込めることにしました。
「このジンジャーマンが、お父さんとお母さんが一緒に楽しい時間を過ごせるようにしてくれますように…」
エミリーはそう呟きながら、リボンをしっかり結びました。最近、忙しくてなかなか笑顔が見られない両親のことが気がかりだったのです。クリスマスは家族が一緒に過ごす日。エミリーはその気持ちを小さなジンジャーマンに託しました。
その夜、エミリーが眠りにつくと、ジンジャーマンクッキーがひょこりと動き出しました。小さな体で台所から抜け出し、まずはリビングルームへと向かいます。そこではまだ片付けが終わっていないプレゼントの山と、散らかったリボン、そして少し疲れた表情のお父さんとお母さんが座っていました。
ジンジャーマンは小さな足でコトコトと動き回り、散らばったリボンを手に取ると、まるでダンスでも踊るようにその場を駆け回り始めました。その姿を見たお母さんは思わず微笑み、「まあ、なんて可愛いこと!」と声を上げました。お父さんも、ジンジャーマンが一生懸命リボンを巻き直している姿に気づき、思わず肩の力が抜けて笑みがこぼれました。
ジンジャーマンは、その後もプレゼントの山を一つずつ整えたり、ツリーの下に落ちていた飾りを拾い上げたりと、まるで家族のために小さなサプライズを用意しているかのように動き続けました。そのおかげで、お父さんとお母さんは自然と手を取り合い、二人で飾り付けを直したり、楽しそうに話し始めたりしました。
次の日の朝、エミリーが起きると、リビングルームは美しく整えられ、ツリーの下にはきちんと並べられたプレゼントがありました。そして、テーブルの上には、少しだけ欠けたジンジャーマンクッキーが一つ。エミリーはそのジンジャーマンを見て、昨夜の出来事を知らないはずなのに、なぜか心がとても温かくなりました。「ジンジャーマンが頑張ってくれたんだね…」と、彼女は小さな声で囁きました。
家族で迎えるクリスマスの朝、お父さんとお母さんの顔には久しぶりの笑顔が溢れていました。エミリーはその光景を見て、心から嬉しくなりました。ジンジャーマンクッキーが叶えてくれた願い、それは何よりも大切な、家族の笑顔でした。
あなたも、ジンジャーマンクッキーにちょっとした魔法を込めてみませんか?
今回ご紹介するのは、この「ジンジャーマンクッキー」の図案です。クリスマスの温かい雰囲気を感じながら、編み物でジンジャーマンを作り、あなた自身の願いを込めてみてください。どうぞ以下のリンクから図案をご覧ください。
細野カレン